2008-08-01から1ヶ月間の記事一覧

後書き

ほ〜ら、収拾がつかないって言っただろ、と一週間前の自分が笑っているような気がします。いや、でもさ、夏休みだよ、一か月以上休みだよ、これはちょっと人の手に負える代物じゃないよ。40日は何もしないにはあまりにも長く、何かを為すにはあまりにも短い…

『消えたパン事件』後編

「パンを一切れ」という言葉が聞こえたのと、紳士が店に備え付けの椅子を自分の前に持ち上げたのは同時だった。そして椅子の背もたれに矢が突き刺さるのも。 例の廉価版小林幸子が羽根に仕込んだ矢を放ったのだと分かるまで、少し時間がかかった。店の人がお…

『消えたパン事件』前編

私は小さい頃いっちょまえに飲食店の経営者を目指したことがある。パン屋さんとかケーキ屋さんとか幼いなりに一生懸命考えてたけど、やめた。その原因は、どう考えてもあれだ。進研ゼミ(何故か一発変換される)の教材の付録のビデオ。内容はほとんど覚えて…

『消えた天才の部屋(のゴミ)事件』

昨日の雨が嘘みたいに雲ひとつなく晴れた空だった。私たちは眩しい朝の陽ざしの中、その人を待っていた。 「ふっふっふっ、来るがいい。私の作戦は完璧!どんな人間だろうと見破れるはずがない!」 先生は持ち前の底なしの、でも根拠のない自信で私たちを圧…

『後書き』

遊人です。またかよ、という人。またです。 夏休みなので活動がありません。じゃあ更新するなよ、という話なのですがしかし。 まあ夏休みなのでブログも夏休み・夏バテ・夏ボケみたいな感じで。 夏ボケついでに近況報告(図書委員会のではなく自分の)でもし…

続・『消えた携帯電話事件』

先生の指の先にあったのは電子レンジだった。 「携帯電話はあの中です」 「なっ、なんだって〜」 荻谷さんが派手に驚く。 先生は人差し指を立てて部屋の中を歩き始めた。 「さて――」 「さて、あなたは昨日一度も部屋から出ていない。つまり携帯電話を部屋の…