読書シンポジウム 『図書館戦争』

 どうもNです。
 久しぶりにネタがあるので書きます。
 というか、ネタがあるのが普通であって、「ない」という状態はかなりやばいんですけどね……。ちゃんと活動してるぅ?
 とは言え、今週来週再来週は行事が大量にあるので、乞う御期待


 はてさて、今日書くのは昨日11月9日に開かれた読書シンポジウムです。


 読書シンポジウムとは、毎年一冊本を決めて、その本について語り合おうというものです。

 シンポジウムの大まかな流れとしては
①まずパネリストと呼ばれる、各校からの代表者(洛星からは二名でました)が作ってきたレジュメ(本に対する感想、意見、講評をまとめたもの)について説明してきます。
②その後休憩を10分はさみ、続いて、パネリストによる討論が行われます。
③さらにその討論が終わった後、再び休憩を取った後、会場にいる人も含めた討論へと移ります。

 去年は『家守奇憚』について討論しました。これに関しては去年のブログを参照してください。
 そして今年は――有川浩著『図書館戦争』です。



 正直言って僕はこの本についてまったくなんの事前の知識もなしに、このシンポジウムに参加しました。(おいおい)
 というのも金銭的にハードカバーなんて買ってる余裕なんてなく、それに時間がなかったからです。というか図書館戦争5巻もあるって、どうよ……。(いいわけかよ〜)
 ということで討論についていけるかどうか心配でしたが、以外にも討論についていくことが出来ました。
 討論では、作品世界に浸るというよりも、その作品のテーマについて詳しく分析するといったことに重点がおかれていたからです。これだと自分の意見さえもっとけば、ついていけますしね。


 討論した内容は大きく分けて二つかな?
 一つは「恋愛」に関して。
 これはさすがに作品のことを判っていないとついていけない部分が多かったです。
 うる覚えですが「相手を『王子様』や『妹』として恋愛しているのはほんとうに恋愛といえるのだろうか? それは相手を突き放していないのか」や「『心配させたくない』と言うのはその人のエゴでは? 実際に本人がどの部分で心配するかはわからない」といったことで討論しました。

 二つ目は言論の自由について。
 話を聞いているところによると、『図書館戦争』では、「『床屋』という言葉を使ってはいけない『理髪店』にそろえるべきだ」というふうにメディアでの言語を無理や統一しようとして戦争がおこるストーリーらしいです(ホンマかいな……)
ということでこのことに関してかなり熱い討論がなされました。「別にメディアで統一されようと自分は『床屋』を名乗ればいいじゃないか」「でもやっぱり自分は誇りをもっているんだから、周りからそう呼ばれるのは嫌じゃないか」とか。
また、そういた禁止用語があっただけでも、文脈の前後関係無視で発禁処分になる制度があるらしいですが、そのことに関しても「例えば私は『メクラ』という言葉を日常的に使っておりあまり差別的に感じていない。使う人によってその言葉の持つ印象は違ってくるからそこまで厳しく取り締まる必要ないのでは?」「でも、例えば何を取り締まり何を取り締まらないかを決めておけばメディアのほうもそれに沿って文章を書くことも出来るから書きやすいのでは?」といったかなり白熱した議論が繰り広げられました。
 (最も上のは全部、僕の記憶に残っていたセリフを列挙しただけなので、意味がわからないと思いますが……。思い出し次第訂正していきます。すいません)


 そしてあれこれ議論した後(ムリヤリ……)、最後に何とかシーカーの何とかさん(忘れすぎだろ!)、ようはこの討論が作品世界からぶれた方向に行かないように誘導する人が「言葉を残すことは大切だ。たとえ差別用語であっても。なぜならそこに『差別があった』という歴史を見ることが出来るからだ」とおっしゃってシンポジウムは締めくくられました。


 シンポジウムに参加してると、やっぱり本てすごいな〜と思ったりしますね。
 一冊の本でここまで濃い内容が詰まっているだな、と改めて実感できます。しかもその内容の受け取り方は人それぞれ、三者三様、十人十色。
 僕のように昔からミステリーばっかり読んでた結果、ミステリにあるトリックの謎は解けるけど、物語の登場人物の心の動きや、物語のテーマがまったくわからなくなった無感動男にとっては、ほんとに斬新な、そして驚きのある、興味深い討論でした。
 こうやって物語に隠された主題を読み取れるパネリストたちがうらやましいです。
 

 聞くところによると来年はシンポジウム25周年らしいので(正確には図書館フェア25周年)、盛大になんかをやるらしいです。
 なので、来年はぜひとも参加したいな〜と思っています。
 来年受験だけど……。
 (ムリヤリ自分の意見述べて誤魔化した……。)