Amazonと本屋
みなさん、はじめまして。今回はBMIS氏とN氏はお休み。二人に代わりまして図書委員会のルーキー、遊人(あそーど)がお送りします。
さて、今日は僕が最近考えたことをお話ししたいとます。
遊人の通学途中に小さな本屋さんがありました。いつの頃からか店のシャッターが開かなくなり、いつの間にか中が空っぽになっていました。それからしばらくして、またその本屋さんの前を通ったのですが、中を見てみると(のぞいたわけではないですよ。シャッターが開いていたから見えただけです)なぜか看板は本屋のままで中はアトリエ風に生まれ変わっていました。
本屋さんでもつぶれるのか、とショックを受けたおぼえがあります。なにしろ、建物はそのままで中身が無くなった本屋を見るなんて生まれて初めてのことでしたから。
小さい本屋が消えていく中で、情報化社会の波に乗って成長したのが本のネット通販です。その中でも有名なのがAmazonでしょう。大量の出版物をジャンルを超えて取り揃えているので、家にいながら町の書店をはるかにしのぐ量の本を手に入れることができます。
遊人はAmazonを使ったことはありませんが、近くの本屋に行くと、はやみねかおる著の「そして五人がいなくなる」と「消える総生島」は置いてあるのに同著の「亡霊は夜歩く」だけ置いていないということもよくあるので、確かにAmazonは便利だろうと思いますね。
ただ、Amazonが普通の書店に比べて優れているのは、品揃えの豊富さだけでなく、実際に購入した人のレビューが見られるところにあるんじゃないか、と思います。人が本を買うにあたって、これほどわかりやすい判断材料はなかなかないし、批判的な意見も見られるので、新聞の広告よりも信用が置ける気がしますよね。
普通の書店では代わりに帯の部分に「○○賞受賞」とか「△△1位」という風に、確かな読み手がこの本を高く評価していますよ、ということを示す言葉を入れるのですが、それが必ずしも遊人を含む一般的な人々の評価と一致しないこともありえます。
Amazonのやったことは、普通の人間の目で本を評価する仕組みを作ったということです。今まで出版社や賞の審査員がやってきたことを、より一般的な人々で行うということです。
今まで人間はどうやって本を選んできたのでしょう。娯楽小説であろうと実用書であろうと、そこには必ずいくつかの選択肢があったはずです。本をめくって一部を確かめることはできても、買うまで全容はわからないはずです。書店では全体の評価を知る方法はあまりありません。しかし、ネットでは多くの評価、批判を読むことができます。たとえ手に取ってみることはできなくとも、人の目が本について教えてくれるのです。
もちろん、本屋さんも手をこまぬいているわけではありません。「本屋大賞」は店員さんという、一般人に近い人が選ぶ賞ですし、「ポップ」という方法で評価を伝える書店もあります。
遊人たち図書委員会も、本を紹介するだけでなく、本を自分たちの手で評価すべきだ、と思いました。
〜おしまい〜