図書館コード 七章

どうもBMISです。


今日はとうとう最後の真相を明かします。小説なんてものを書いたのはこれが初めてで、論理的にちゃんと説明できているのかは自信がないのですが、まあ誰も文句を言いにこないところを見ると大丈夫そうだなと思っています。
もし論理が甘いところがあったらコメントにでも書いてくださいね、訂正しますので。

後、今回は状況が今までと違うので色を変えておきます。


最後に暗号部分が読みにくかった点に関して、情報提供をしてくださった鉄2様、そして実際に直してくれた委員長、ありがとうございました。



図書館コード


第七章 第三の真実、もしくは幻想


ここはどこだ?と俺は思った。いったい何が起きているのだろう。
そこは教室のようなところだった。しかし、机はなく椅子も一つしかなかった。
「こんにちは。」
と、声が聞こえた。そこにいたのはNだった。なぜNがここにいるんだ?それにここはどこなんだ?
「ここはあなたが作り出した幻想の中ですよ。何故私がここにいるのかはこれからゆっくり話していきますよ。」
とNが言った。んんっ?なぜNは俺の気持ちが読めるんだ?これもここが幻想の中だからか?
「違いますよ。まあとりあえず座りましょう。」
そういってNは座った。俺は素直に従うことにした。そんなことより早く説明してくれ。
「まあそう焦らないでください。まずあなたに確認しておきたいことがあります。あなたは早い段階でこの事件が演技であることに気付いていましたね?」
何故そう思うんだ?
「あなたは第一章で『どうやって司書さんが死ぬまでの短時間の間に暗号を書き上げたのかは誰もつっこまないのね。』と言っています、これは現在形で書かれているのですでにその時点であなたは気付いていたことになります。違いますか?」
その通りだよ。おれはNと同じところに目がいってそれで気付いたんだ。
「『同じところ』ですか。おもしろいですね。」
Nはにやにや笑いながら言った。N、そんな下らんことを言うためにここにいるのか?
「いえいえ、これは本題ではありません。どうしても聞いておきたかったんですよ。」
全く話の内容がつかめないな。
「本当につかめないんですか?つかみたくないの間違いでは?」
だからそんなまわりくどいこと言わずにさっさとしてくれ。
「分かりました、それでは言いましょう。あなたは今回の事件でいくつか矛盾点があったことに気付きましたか?」
矛盾点?それは部長のやつか?それならもう話しただろ。
「いいえ、部長のことではありません。わからないのなら私から言いましょう。まずは第一章の矛盾点です。『ここにいる俺たち4人のよく知る司書さんが』とあなたは言いましたね?ではその場にいた人を数えてみてください。」
俺、委員長、羽衣田、N、部長・・・・・・、5人だ。
「これがどういう意味か分かりますね?」
・・・・・・。
「沈黙ですか、まあいいでしょう。それでは次の矛盾点に行きましょう。それは第二部でのことです。委員長は『まあ多数決で負けるのだから仕方ありませんね。』と言っています。しかしよく思い出してみてください。あの場面で委員長はあなたの意見を聞いていません。もしかしたら五分五分になるかもしれないのに。もうそろそろ意味が分かってきたんじゃないですか?」
また俺は沈黙する。・・・・・・。
「続いて第三章です。第三章の終わりであなたは『別に遊んでいるつもりはないのだが』といっていますね。でもそのときの会話お思い出してみると委員長が言った『遊んでいる』という台詞は明らかにあなたではなく羽衣田さんと私に対して言っていますね。」
・・・・・・そろそろ結論を言ってくれ。
「そうですかそれでは結論を言いましょう。この世にあなたは存在しない、もしくは――。」
その先は聞かなくても分かった。というか聞きたくなかった。
「先に挙げた三つが有力な手がかりとなりましたが、他にも細かなものは散らばっていました。まずは第一章の人物紹介のところです。ここでは二つおかしな点がありました。一つは私のいる位置が書かれていないこと、二つ目は『今までの人物紹介すでに自分のすべてを出し切った気になっている』というところ。あなたは私の位置やあなた自身の人物紹介を書かなかったのではなく書くことができなかったんですね。また、もう一つ第一章であげるとすると『警察に借りを作って何をする気ですか?』というところです。あなたは普段から丁寧な物言いではないのに、ここだけ丁寧になっている。これは明らかにあなたの性格と一致していませんね。」
そういってNはしばらく休憩していた。おれは早くここから出て行きたかった。しかし出て行き方がわからない・・・・・・。
「続いて第二章での委員長の『Nが校長先生と話している間に』という発言です。あのとき話していたのは私ではなくあなたですね。そしてもう一つ、第三章であなたは『やっぱり委員長だけが常識人だ』と思っていましたね。あの時あなたは自分のことを書いていませんでしたね。」
なるほどね、もはや言葉が出ない。
「言葉が出なくてもいいんですよ。お互いの気持ちが分かりますしね。」
こんな時に冗談言うなよな・・・・・・。
「さらにもう一つ矛盾点があるとすれば、この章の冒頭で『椅子も一つしかなかった』と述べています。なのに私たちは二人とも座ることができています。」
ああ、もう分かったからそれ以上言わんでくれ。
「分かりました。それでは最後に私の望みを言いましょう。」
なんだ?
「戻ってきませんか?」
そういうことか。お前の気持ちは分かるが、しばらくはお前に任せる。時が来たらまた昔みたいに俺が前に出るよ。
「そうですかそれは残念です。」
とNは言ったが内心では楽しんでいるようだった。
「それでは、さようなら。よい夢を・・・・・・。」
そういってNは去っていった。


Nが去っていった教室には「俺」はおらず、一つの椅子と鏡がおいてあった・・・・・・