図書館コード 五章
どうもBMISです。
今日は特に書くことありません。あっ、Nの格言は今日はなしです。
それではどうぞ!
図書館コード
第五章 第一の真相もしくは委員長の審判
「司書さんがいないぞ・・・・・・。」
と羽衣田が言った。
ここは再び司書室である。暗号を解読した俺たちは犯人がここにいると思いやってきたのだが犯人だけでなく司書さんもいなかった。
「やっぱり犯人は・・・・・・。」
と委員長が言った。とそこに、
「やあみんな、どうしてここにいるんだい?ここは立ち入り禁止のはずだよ。」
部長が入ってきた。その顔にはどこか暗いものがあった。
「部長、なぜ司書さんがいないんですか?それに警察も。」
と委員長が部長に向かって言った。
「・・・・・・。」
部長は沈黙している。
「答えられない理由を教えてあげましょう。」
と前置きし、委員長はこう言った
「それは部長、あなたが犯人だからです。」
しばらく間が空いて部長がこう言った。
「理由を聞かせてもらおうかな。」
なんか、だんだんありがちな推理小説の会話になってきたぞ。
「僕たちが犯人と特定できたのは、司書さんが残してくれたダイイングメッセージです。」
と委員長が言い、ダイイングメッセージの書かれた真っ白な紙を取り出した。
「ここに書かれているのは一見何の関連性のない本に見えますし、実際そうでした。だからどのように暗号を解けばいいのか全くわかりませんでした。しかし、ついさっき生徒会長からヒント
をもらい分かりました。」そして会長に書いてもらった用紙を取り出した。
「図説関節技」 | 788 |
「ソクラテスの死」 | 131 |
「現代人の祈り」 | 196 |
「中国の歴史」 | 222 |
「図説日本合戦武具事典」 | 399 |
「流体のエネルギーと流体機械」 | 534 |
「司馬遼太郎 全舞台」 | 912 |
「ミトコンドリアはどこからきたか」 | 463 |
「商業と商人」 | 670 |
「諸君!の30年」 | 51 |
「社会科学の方法と人間学」 | 899 |
「これは、各々のNDCが書かれています。ここから文字にするためにはある作業を行わなければなりません。それは割り算をするということです。そして割る数は26です。」
「なぜ26だと思うんだい?」
「司書さんの日記に書かれていました。それにわざとらしく最後に。またアルファベットの数であることも決め手になりました。」
とこの質問にはN答えた。
「話を元に戻しましょう。Nも言ったように26という数字はアルファベットの数です。つまり26で割った余りを各々のアルファベットに当てはめていけばいいんです。計算の結果は次の通りです。」
そう言って、もう一枚紙を取り出した。
「図説関節技」 | 788→30余り8 |
「ソクラテスの死」 | 131→5余り1 |
「現代人の祈り」 | 196→7余り14 |
「中国の歴史」 | 222→8余り14 |
「図説日本合戦武具事典」 | 399→15余り9 |
「流体のエネルギーと流体機械」 | 534→20余り14 |
「司馬遼太郎 全舞台」 | 912→35余り2 |
「ミトコンドリアはどこからきたか」 | 463→17余り21 |
「商業と商人」 | 670→25余り20 |
「諸君!の30年」 | 51→1余り25 |
「社会科学の方法と人間学」 | 899→34余り15 |
と羽衣田が自慢げに言った。羽衣田、この緊張した雰囲気で言う言葉じゃないだろう。そのうちどこかの人みたいに、「KY(空気読めない)」とか言われてしまうぞ。
「後は、A=1、Z=0として置き換えていくだけです。」
そしてさらに紙をもう一枚取り出した。・・・・・・委員長、何枚紙を取り出したら気が済むのでしょうか?
「図説関節技」 | 8 | H |
「ソクラテスの死」 | 1 | A |
「現代人の祈り」 | 14 | N |
「中国の歴史」 | 14 | N |
「図説日本合戦武具事典」 | 9 | I |
「流体のエネルギーと流体機械」 | 14 | N |
「司馬遼太郎 全舞台」 | 2 | B |
「ミトコンドリアはどこからきたか」 | 21 | U |
「商業と商人」 | 20 | T |
「諸君!の30年」 | 25 | Y |
「社会科学の方法と人間学」 | 15 | O |
「もうお分かりですね。『HANNINBUTYO』つまり『犯人部長』となるわけです。部長、観念して自首してはどうですか?」
と委員長が言った。すると、部長はうなだれた。
「警察を呼ばずにいたり司書のことについて調べるように言ったのは時間稼ぎをするためですね?証拠を隠すための。」
と委員長が追加説明をした。部長はまだ沈黙したままだった。だが俺は部長が一瞬勝ち誇ったような顔をしたのを見逃さなかった。だが一瞬のことでほかには誰も気付かなかったようだ。その後は再び沈黙していた。
「それでは部長、警察を呼びますね。」
と委員長が言った。とそのとき、
「待ってください委員長。まだ推理に続きがあります。」
とNが言った。
「続きとは?犯人は部長だと暗号に書かれていたんだから、他に何か推理することでもあるんですか?」
と委員長が聞くと。
「確かに犯人は部長ですが、殺人ということではありませんよ。」
とNが言い、推理を始めた。
「さて――」