図書館コード 二章

どうもBMISです。


昨日はNがサボって更新できなくてすいませんでした。おかげで暗号が気になるまま1日過ごすことになってしまったようで・・・・・・。


まあ愚痴を言ってても仕方がない、全部Nの責任なんだから。まあそういうことで「図書館コード」続きをどうぞ!



図書館コード


第二章 情報集め、もしくは職員室潜入

                   
「図説関節技」高平 鳴海著
ソクラテスの死」多田 義雄著
「現代人の祈り」エヴェリー著
「中国の歴史」陳 舜巨著
「図説日本合戦武具事典」笹間 良彦著
「流体のエネルギーと流体機械」高橋 徹著
司馬遼太郎 全舞台」司馬 遼太郎著
ミトコンドリアはどこからきたか」黒岩 常祥著
「商業と商人」宮本 又次著
「諸君!の30年」文藝春秋
「社会科学の方法と人間学山野内 靖著
  
                                  

「これはどういうことなんだ?」
と委員長が言った。そこに書かれていたのは十一冊の本の題名だった。しかもこれと言って関連性のない本ばかりである。
「最初の文字を読んだらいいんじゃないのか。よし、これで決まりだ。謎はとべてすけた。」
相変わらず空気の読めない羽衣田である。
「でも最初の文字を読むと『ズソゲチズリシミシシシ』となり意味不明ですよ。」
とNが冷静に対処する。
「ウッ。じゃあ後ろの文字だ。」
さすがに付き合いきれないと思ったのか、Nも委員長も無視している。
 と、そこへ部長が帰ってきた。
「警察に電話してきた。誰も死体に触らないようにとの事なのでこの部屋から出て行くように。」
さっき紙を取り出した時に触ったような気もするが、まあ言わなければばれないだろう。が、しかしここで羽衣田が、
「部長、司書さんが手に暗号を持っていましたよ。」
と言って、暗号の紙を見せた。このアホ羽衣田。そんなことをしたら触ったことがばれてしまうだろ。それにもしかしたら暗号の紙を取られてしまうかもしれない。まだどこにも書き写してないんだぞ。だがそんな心配は要らなかったようで、部長は
「う〜ん。十一冊の本の題名か。僕には何の意味かわからないけど、司書さんの仕事について調べたら何かヒントが得られるかもしれないよ。」
と言った。
「なるほど、司書さんが作った暗号なのだから何か手がかりになるかもしれませんね。」
「うん。僕もその意見に賛成です。」
「よし、そうと決まったら早速調べに行こう。」
とN、委員長、羽衣田がそれぞれ賛成した。仕方がない、行くとしますか。ちなみに部長はというと、
「それではみんな気をつけてね。」
「えっ。部長はこないんですか。」
「うん、このことを他の教職員にも知らせないといけないし、その後はおそらく会議室で会議があると思うのでね。」
「立て前は分かりました。本音は?」
「何を言っているんだい?今のが本音だよ。」
ということでついてこなかった。う〜ん、なんかいつもの部長と違うぞ。いつもの部長なら「人生に必要なのはC調と遊び心」とかいって喜んで暗号解読してくれそうなんだがな。さすがに殺人となったら部長もまじめになるのかな?
それにしても、どうやって司書さんが死ぬまでの短時間の間に暗号を書き上げたのかは誰もつっこまないのね。まあそっちのほうが俺的にも都合がいいので構わないのだが。


そんなこんなあって、図書館で調べることになったのだが、実際にはNが司書に関して詳しい知識をもっていたので、ほとんど調べる必要がなかった。さすがは、隠れ名(迷?)探偵。
「司書とは図書館に置かれる専門職で、『図書館情報学の知識と技術を身に付け、図書館に固有のサービスに従事する図書館の専門的職員』のことをいいます。日本では『司書となる資格』が法律上で定められています。ですが、公共図書館以外の種類の図書館では、資格がなくても『司書』と呼ばれることがあります。この場合の『司書』は図書館法での『司書となる資格』に基づく司書にはなりません。司書の主な仕事として『図書館資料の収集、整理、保管、提供や、参考調査(レファレンス)、他の図書館との連携・協力を含み、さらに電子図書館の開発や、電子情報の発信などの電算機システム運用に至るまで図書館利用者の要求に応ずるためのあらゆる専門的な職務をこなすこと』が挙げられます。ちなみに現在では、労働環境が悪かったり、存在意義そのものが疑問視されたりと問題を抱えています。」
どうもN、お疲れさん。多分この台詞が一番長い台詞になるよ。てか俺も疲れた・・・・・・。
「今の話で重要そうな部分はある?」
と委員長が聞いた。
「なっし〜んぐ。」
ふざけた答え方をしたのはもちろん羽衣田だ。
「私も特に重要な点があるとも思いませんね。おそらく、部長の推測が間違っていたのでしょう。」
とNが言った。部長の意見即却下。部長よ、しっかりしてくれ。
「じゃあ、僕たちは次に何をしたらいいんだ?」
と委員長が言った。
「次は、司書さんの人間関係を調べたほうがいいと思います。」
とNが言った。でもそんなの誰に聞くんだ?どうせ聞いても「子供が余計な首を突っ込むな。」と言われそうだし。
「オウッ、それなら僕がいい事を知っているぞ。この間、司書さんが日記を書いているのを見たぞ。たぶん今、職員室の司書さんのかばんの中に入っているはずだ。」
と羽衣田が言った。おおっ、珍しく役に立つ発言をしやがった。今のでおまえの仕事の8割は終わったはずだ。だが委員長は、
「しかし職員室に侵入するのは賛成しかねるな。Nもそう思うだろ。」
と羽衣田の意見には批判的な様子である。さすが常識人。他の面子とはわけが違うな・・・・・・。しかしNは、
「私は賛成ですよ。犯人を特定することが出来るのですから。」
という意見だった。羽衣田も、
「そうだそうだ。これは合法的な行動だ。」
と援護射撃をした。ということで委員長は、
「まあ多数決で負けるのだから仕方ないね。」
と妥協した。すいません、委員長・・・・・・。
「それでそうやって侵入するんだ?」
委員長がもっともな質問をした。しかしその問題もすぐに解決した。何故なら、
「教職員の皆様は至急会議室にお集まりください。」
と言う放送が流れたからだ。
これには全員そろってニヤッと笑った。


「羽衣田、司書さんの日記だけだ。勝手に職員室にあるワラビ餅を食べるなよ。」
と委員長が羽衣田に言った
 ここは職員室である。普段は生徒無断立ち入り禁止なのだが、今は先生がおらず静けさが漂っている。(だからと言って無断立ち入りして良いと言うことにはならないのだが。)
「司書さんの日記は見つけたかい?」
とすでに探すのをやめ、ワラビ餅を食べている羽衣田が言った。
「いいや、まだ見つかっていない。」
と委員長が答えた。とそこへ、
「君タチ、何ヲヤッテイルンデスカ?」
と言う片言の日本語が聞こえた。ビクッとして振り返るとそこにいたのは校長先生であった。(ちなみに羽衣田はこのときさりげなくワラビ餅を机に置いた。)
 それではここで、校長先生の説明をしておこう。この校長先生はガーナ出身で、穏健なのだがどこか抜けている感がある人である。(片言の日本語のせいかも知れないが。)ちなみにこの校長が何故校長になったかと言うと、本人曰く「何カ成リ行キデ、ソウナリマシタ。ハメラレタノカモシレマセン。」とのことだ。「はめられて校長先生になった」って、意味わかりません・・・・・・。
話を戻そう。
「モシカシテ――」
やばい、怒られる。
外郎(ういろう、名古屋名物の和菓子)ヲ探シテイルノデスカ?」
はい?意味わかりません。
「コノ間、司書サンガ旅行ノオ土産ニ、外郎クレタンデスヨ。私ノ推理デハ、アナタタチハ土産ヲモラエナカッタ。ダカラコウシテ司書サンノ鞄ヲアサッテイルノデス。違イマスカ?」
・・・・・・違います。鞄をあさっていると言う事実しか当たっていません。しかしNは話を合わせる事にし、
「その通りです。さすがは校長先生です。名推理です。」
と言った。
「ハッハッハッ、ナンノコレシキ。」
もはや漫才だな、これ。
「マア、ソウイウコトナラ無断立チ入リノコトハ目ヲツブッテアゲマショウ。デモ、今ハ会議中デ、イツ終ワルカワカラナイノデ早ク出テ行ッタホウガイイデスヨ。」
という事でみんな出て行くことになったのだが、その前に聞いておかなくては。
「校長先生、司書さんに最近変な様子はありませんでしたか?」
「変ナ様子?ソンナノ全然アリマセンデシタヨ。」
「じゃあ、人間関係で困っていたことは?」
「ソレモアリエナイデショウ。」
と校長先生が俺に向かっていった。
校長先生によると、司書さんはいつも「七十二時間時間働けますか?」をモットーに、寝る間を惜しんで働いていて、いつも校内の先生から尊敬の目を向けられていたらしい。また、旅行から帰ってきたときもお土産の外郎を教職員全員に配ったりと人柄も良かったようだ。
「トイウコトデ、司書サンヲ、恨ンデイルトシタラ、図書委員ナノニ外郎ヲモラエナカッタアナタタチダケデスヨ。」
・・・・・・、それ冗談ですよね?さすがにこの中で外郎をもらえなかっただけで人を殺すような奴はいないだろう。
「そうですか、ありがとうございました。」
といい、俺たちはそそくさと職員室から出て行った。


「日記を手に入れましたよ。」
と委員長が唐突に言った。いつの間に?
「さっきNが校長先生と話している間に後ろで見つけたんですよ。」
さすが委員長。それにしてもさっきから、何にもしゃべってない奴がいるな。
「羽衣田さん。どうかしたんですか?」
とNが聞くと、
「何故、司書さんは僕たちに外郎をくれなかったんだ。僕たち図書委員じゃないか。」
と、羽衣田が答えた。
「それは予算の問題とかがあったんじゃないですか?」
とNが答えた。しかし、それでは納得しなかったようで羽衣田は、
「しかしなN。俺は司書さんたちにこう言いたい。『なぜベストを尽くさないのか?』と。そうすれば僕たちの分だって買えたはずだ。」
とわけの分からない論理を言い始めた。もはやつっこむ気も起こらない。ということで俺たちはまだ「Why don‘t you do your best?」とか叫んでいる羽衣田を無視して司書さんの日記を後ろのページから目を通すことにした。
 だがしかし、有力と思える情報はそこには書いていなかった。
「特に有力な情報があるとは思えませんね。」
とNが言った。委員長も、
「また僕たちの見当違いか。」
ということだった。日記の最後のページには「私は二十六と言う数字が好きです」と書かれておりそこからさかのぼっていくと、「旅行に行って来ました」とか「最近読んだ本」とか「今の政治家がやっていることはすべてマルッとお見通しです」とかそんなのばかり書かれていた。
「結局職員室に入ったのは無駄だったわけですね。」
と委員長が苦々しく言った。まあそういうことです。
「しかし困りましたね、また振り出しに戻ってしまいました。」
とNが言った。確かにこれ以上行くあてがない。
「じゃあ暗号に書いてある本について調べてみるのはどうかな?」
と委員長が言った。でもそれやったらすごい時間がかかってしまうぞ。拗ねから立ち直った羽衣田もそう思ったようで、
「そんな面倒くさいこと出来るか!」
と言った。しかし委員長は
「大丈夫です。僕の友達に大変な読書家がいます。その人に聞けばこの十一冊の本についてある程度情報を得られるはずです。」
と言った。なるほどそれなら手間が省けていいな。ということで満場一致で賛成した。
「それではこちらです。」
と言って委員長はそいつのいる所へ案内していった。
そこは意外な場所だった・・・・・・。


(第三章へ続く)



今日の格言(こっちもしばらく連載です)
’「名前と識別番号の違いが君に分かるかね?」’